RISEの活動

<<理事会便り一覧へ戻る

理事会便り(2012年6月)

(2012年6月6日)
基本テーマ:セルフ・エスティームとダイバーシティ&インクルージョン

私たちは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)が実現されている組織では、組織の構成員一人一人の価値観の違いが受け入れられ尊重され、そのことを全員が認識することで生き生きとした創造性が生まれ、組織の競争力がつくと考えています。その前提として、組織の構成員が自分たちの存在意義を肯定し、自分自身を前向きにとらえること、すなわち自己尊重感情(セルフ・エスティーム)を持っていることが重要だと思っています。では、そのような組織はどのように作られるのか、また組織の構成員が健全なセルフ・エスティームをどのようにしたら持つことができるのかが、私たちの大きな課題となっています。
前回理事会に出席してくださった建部さんからの「セルフ・エスティームのVariationを探る」という問題提起に続き、今回の理事会の前にあるアメリカのD&Iコンサルタントと話し合う機会があったのですが、アメリカにおいてもセルフ・エスティームと関連する個人の意識変革を成し遂げるためにはUnconscious Biasの気づきやStereo Typeの気づきが、今後の重要な課題であることを認識させられました。ただし、アメリカでは1960年代初頭の公民権運動以来、50年にわたる長いD&Iの旅を続けているわけで、社会や経済の変動に企業内のD&I推進活動が変革してくるのは理解できます。

一方、未だD&I推進の「はじめの一歩」の日本では、企業の行動と個人の関係がまだまだ明確ではないようですが、私たちはこんな切り口もあるかなと考えています。

活き活きと活動できる組織の構成要素は;

  1. 組織のリーダーが組織の目的・社会的価値観を明確に持ち、
  2. 個々の組織の構成員がその目的・社会的価値観を理解し、共感していること

そのために組織の構成員は;

  1. 自分の価値観を持ち、組織の価値観と共感できること
  2. 組織の活動において、それぞれの自己概念が尊重されている

私たちが理想としている組織が実現し、そのような組織を活性化するリーダーが生まれるためには相当な時間や努力が必要であり、私たちが理想の実現に貢献するために何をしていけばよいのか、結論を得るのは容易なことではありません。RISEの研究は続きます。


(2012年6月20日)
基本テーマ:リーダーに求められる能力

今日の理事会では、前回のテーマで論議された、組織の構成要素の中のリーダーの役割/能力について改めて話し合ってみました。前回は、「組織のリーダーが組織の目的・社会的価値観を明確に持ち」という表現でリーダーの役割を端的にまとめましたが、今回はこれを少しばかり具体的な領域に掘り下げて、リーダーが如何にして組織の目的を明確にするのか、リーダーがするべきことを具体的なプロセスで考えてみました。そして、以下の4つの基本的なプロセスに要約してみました。

  1. 組織の立ち位置の確認
    • マクロ・ミクロ環境分析から、自分たちがどの様な状況に置かれているのかを的確に把握する。(グローバル化が進んだために、世界的な社会・経済環境の変化が組織に及ぼす影響力の大きさとスピードを、リーマンショックやEU諸国の金融危機において改めて再認識した組織が多いかと思います)
  2. 組織の目標設定
    • プロセス1で把握した、“自分たちが置かれている状況”を基に、環境変化に対応した具体的な新規戦略策定を行い、この組織目標・戦略を組織構成員と共有、或いは、彼らに対し認知徹底を行う。
  3. 組織が持つ資源の最適配分
    • 新規に策定した戦略目標を達成(実現)するために必要な、組織が保有している限りある資源(人、物、金、情報、ネットワーク)の最善化を図りつつ、最大の効果を発揮するための配分を行う。
  4. 組織構成資源の最善化
    • 組織が保有する資源の中でも、組織の永続的な発展を支えるために最も大きな資源となる“人材(個人および集団)”の育成を継続的に行う。

上記を、組織のリーダーとしての基本的な役割としたときに、戦略実行においてリーダーに求められる資質の大きな要素が、前回のまとめの最後に述べられた、「組織の活動において、それぞれ(組織構成員)の自己概念が尊重されている」の管理だと思われます。RISEでは、この資質の根幹となるのがリーダーのセルフ・エスティームのレベルだと考えています。健全なセルフ・エスティームのもとで発揮される高い自尊感情は自ずと他尊感情の高さに結びつき(※)、組織構成員の多様な価値観や能力の理解と活用が実行できると考えます。
(※)自尊感情が高くなると他人を思いやる意識(他尊感情)も必然的に高くなると言われています。

今回の理事会では、「リーダー論」に時間を割きましたが、次回は、リーダーもさることながら、組織構成員のセルフ・エスティームの醸成の具体的なポイントや方法論を論じていく予定です。