RISEの活動

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理事会便り(2012年12月)

RISEの重要な研究課題である「日本女性の管理職志向はなぜ低いか」に関して、現在、調査の結果をさまざまな角度から分析しています。

今月の理事会では、この課題に対して二つの側面から考えてみました。
2003年にNPO GEWELではじめて行った調査以来、一貫して、20代30代の女性の「上位のポジションへの志向」は25%以下にとどまっていて、世の中で「女性の力が日本経済を救う」と、女性管理職を増加させようとしても、女性たちの気持ちはさめています。この傾向は、昨年末の調査でもかわりません。唯一良いニュースは、従業員1万人以上の大企業の女性社員の「上位のポジションへの志向」が30%となっていることで、企業のダイバーシティ推進担当者が行ってきた努力がやっと実を結び始めたかなと思います。ただし、日本経済の低迷が続いている中、調査では、明確に表れていませんが、管理職に就くことに魅力を感じない人々が男女とも多くなっているような感じもします。企業の中でどのようなレベルであれ意思決定ができることの楽しみや達成感よりも、責任の重さや長時間働かなければならないという要求の高さ、その割に上がらない報酬など、現在の管理職には若い人を元気づける要素が少なすぎるのかもしれません。

女性管理職数の増加を阻んでいるもう一つの要素が、「女性活躍推進をしたとして、企業業績にどんなメリットがあるのか?」という経営者の疑問にこれまでこたえられるデータが不足していたことです。女性活躍推進を企業経営にプラスに結び付けられるのか、経営者は確信が持てずにいます。こちらも最近、さまざまな研究が進んできました。これまでは2003年にアメリカのNPO Catalystが行ったフォーチュン500企業の研究が引用されることが多く、企業業績と女性役員比率は正の相関があると言われても「アメリカの話でしょ」という反応が返ってくることが多かったのです。しかし、最近日本でも独立行政法人経済産業研究所での研究で、ワークライフバランスの施策が企業の業績にプラスの効果を与えているという研究や、女性活躍推進に取り組んでいる「均等推進企業表彰企業」の株式パフォーマンスがTOPIX平均を上回っているというレポートも発表されています。(大和証券キャピタルマーケッツ2011年6月14日)

また東洋経済オンライン2012年9月5日では、日興ファイナンシャル・インテリジェンス株式会社の杉浦康之アナリストが、「女性管理職の活躍で生産性は上昇、収益性も高まる」という興味深いデータを掲載していらっしゃいます。証券会社の研究機関が女性活躍推進のパフォーマンスを分析し、投資家の判断のためのデータを提供することを継続していけば、経営戦略やIRとしての女性活躍推進やダイバーシティ推進が加速されるのではないかと期待しています。