RISEの活動

<<理事会便り一覧へ戻る

理事会便り(2013年8月)

今年の東京の夏は7月の猛暑に続き、8月も「酷暑」というのがふさわしいような暑さの日々が続いています。そんななか、RISEの理事3名はもろもろの事情から東京を離れず、それぞれの仕事や研究に没頭してきました。そして、全員のプロジェクトが一段落した8月19日、久しぶりに3名全員で今後のRISEとしてのプロジェクトについて話し合いました。

大学院で修士論文に挑戦している小西さんから、プロティアン・キャリアを提唱するダグラス・ホール博士の見解では、社会や組織の変化に応じて、変幻自在にアイデンティティを変容させることの根本に「健全なセルフ・エスティームが存在する」という議論が紹介されました。

6月の理事会便りで述べましたが、プロティアン・キャリアについて復習しておきます。
プロティアン・キャリア(変幻自在のキャリア)とは、移り変わる環境に対して、自ら方向転換して個人の心理的成功を目指すと考えています。この心理的成功のためには、「アイデンティティ」と「アダプタビリティ」が必要だとされていますが、特に「アイデンティティ」は、自己理解の程度であり、自己概念の統合の度合いと考えられており、これまでなら、組織に尊敬されているかとか、私は何をすべきかといった組織に焦点が当たってきたのに対し、プロティアン・キャリアでは、自分を尊敬できるか、自分は何がしたいかといった自己が重要だとされています。

キャリア理論の基礎にセルフ・エスティームの概念の存在は、私たちにとって大変勇気づけられることです。

また、堀井が最近読んだ雑誌の記事で、高齢者(特に男性)が社会に適応できなくなっているが、その理由には「自己肯定感の欠如」があることが述べられていました。ここでもセルフ・エスティームと高齢社会の関係が課題であることがわかります。

そこで、私たちは、いよいよセルフ・エスティームを醸成するものは何かという要因分析の領域に入っていこうと考えています。2013年末は、2009年から継続している「ベンチマーク調査」の実施時期を予定しています。2009年からの調査の目的は、「日本社会におけるダイバーシティ&インクルージョンの認知度を定点観測し、組織や社会のダイバーシティ&インクルージョン推進状況の確認を行う」でしたが、2011年の調査から、当時、慶応大学の伊藤美奈子先生の研究による、セルフ・エスティームの評価を調査に含めたことで、セルフ・エスティームとダイバーシティ&インクルージョン推進の関連を明らかにしたと考えています。そこで、今年は、さらに「個人のセルフ・エスティームの差はどのような要因で出来るのか」を解明したいと思っています。従来のアンケート調査に先駆け、仮説を抽出するためのインタビューも始めなければなりません。

いよいよ、RISE、活動の秋が始まりそうです。